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おそらのうえで。

おそらのうえで。

*こいうらない*



雑誌を片手に

大きくため息。

*こいうらない*
君の星座とあたしの星座。

基本的に相性よくなくて
今週の占いも

『距離を置くが吉』


あんまり占いは信じない。

信じないタイプだけど
恋をしたら話は違う。

ちょこっとでいいから
自信持ちたくて
ちょっとでもいいから
気休めがほしくて
ついつい雑誌の占いに
目がいっちゃうんだもん。


「あーぁ、もぅダメ」


でも現実はいつだって
あたしに自信を
気休め程度にも
与えてくれない。

雑誌片手にうなだれるあたしに
声をかけたのは

「何がだめ?」

間違いなく君だった。

「朝からなん暗い顔してんの」

そういって笑って
あたしの前に座る君は
あたしのクラスメートであって
あたしの好きな人。

「べ…勉強運、悪くって」

君との相性悪いなんて
いえるわけもない。
心臓のドキドキを押さえながら
雑誌を君に見せた。

「あ、ほんっと。サイアクじゃん。
 お前、レンアイ運もねぇし」

悪気なく笑う君を見て
うれしいようで
ちょっとかなしい。

「ほらほら、俺との相性なんて
 見てみ?距離おけってさ」

指さしてまで
見せてくんなくったって
いやってほど見てたよ。

無理して笑ってみせるあたしをよそに
君は雑誌に釘付け。

目の前の君をみてると
「距離を置くが吉」
な占いなんて
信じらんないくらいに
しあわせな気分。

一通り読んで
机に雑誌をほり投げる。

「まぁでも、俺のレンアイ運は
 絶好調みたいだし
 一緒にいればちょうどいいんじゃね?」

そう言って笑う君を
また一段と
好きになる。

「占いよか
 俺の言葉信じなさい」

にかっと笑って
自信満々な君。

「根拠ないくせに」

根拠ない言葉だけど
占いよか自信をくれる。


君のうらない。

それはあたしに自信をくれて

また一段と君のこと

好きになせてくれる

まほうのコトバ。




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